概要

東北大学は研究者の育成に力を入れています。医学科では1989年から3年生のカリキュラムに基礎医学の研究期間を取り入れました。学生は希望する研究室を選んで、半年近く研究に取り組みます。2002年には学部在学中に博士課程に進級できるMD-PhDコースを開設しました。さらに、2012年には、「世界で競い合うMD研究者育成プログラム」を開始しました(※)。このプログラムは、医学科の学生が、入学後いち早く研究への関心を深め、実際に最先端の研究を行って、成果を学会・論文発表できるよう、一貫してサポートしています。

1年生には入学早々、様々な研究室の教授が研究内容や研究の魅力を紹介します。医学研究に必須の遺伝子組換えや実験動物の取扱に関する講習などを、6月までに全員が受講し、夏休み前には研究室を訪問する機会を用意しています。これをきっかけに、実際に研究室に通って研究を始める1年生もいます。2年生では基礎医学の講義・実習と並行して、医学研究PBLというグループ学習と発表会を行います。また、Open Labに参加して研究室を訪問することもできます。3年生の4月には研究室配属の調整を始め、10月から基礎医学研究が始まります。3月上旬まで、20週間にわたり個別のテーマで研究を行います。この間、講義などはなく、フルタイムで研究に専念します。海外の大学への研究留学も盛んで、毎年30人前後が留学しています。「世界で競い合うMD研究者育成プログラム」は、旅費を助成して留学を奨励しています。4年生から臨床の講義と実習が始まり、学生は一層、多忙となります。それでも研究を続けられるよう、医学科として研究と成果発表を全面的にサポートするシステムを整えています。実際に、研究成果の発表は5・6年生が多くを占めています。さらに、全学年を対象に、英語によるコミュニケーション能力を開発する学習環境も用意しています。

将来、臨床医を目指す学生にとっても、基礎医学研究者の視点を学び、方法論を身に付けることは重要です。基礎医学研究の素養は、臨床研究やエビデンスに基づく医療を実践する上で大きな力になります。在学中に基礎医学、臨床医学を共に深く学び実践することで、進路をじっくり考えることができます。医学科学生の将来の選択肢を広げるために、東北大学は基礎研究の世界に触れる機会を不可欠と考えています。「世界で競い合うMD研究者育成プログラム」は、学生の医学研究を広く支援しています。

※本プログラムは2012年度の文部科学省大学改革推進事業「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成」に採択されました。

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